2015年1月27日に国土交通省の有識者会議で道路政策に向けた基本方針が発表されました。基本方針の骨子は次の5点。

■首都圏の高速道路料金は対距離制を基本に統一
■発着地が同一なら、経路が違っても料金を同一に
■ETCの普及を促進し、ETC義務化に向けて検討
■ETCの情報や料金制度を使って通行量を管理
■ビッグデータを活用。渋滞の解消を図る。

大きく取り上げられていたのは「首都圏高速料金 距離で統一」でしたが、基本方針の骨子の5点についての感想などをメモしておきます。

首都高速

 

■首都圏の高速道路料金は対距離制を基本に統一

現状の首都高速は、一定の距離を超えると料金が上がらないシステムです。たとえば、神奈川県から埼玉県に向かうようなケースでは、東名高速-中央道-関越道を結ぶ圏央道を通るよりも首都高速のほうが安い料金で利用できます。

遠回りした方が高いって変ですし、多くのクルマが首都高速を利用するため渋滞が起きやすくなります。そのため、首都高速でも「高速料金を距離で統一」になるそうです。

いろいろな利害関係があったとは思いますが、いまごろ?って気がしますね。

■発着地が同一なら、経路が違っても料金を同一に

出発地と到着地が同じ場合でもルートが複数ある場合、たとえば先ほどの例で、首都高速を通るルートと圏央道を通るルートでは、現状、首都高速のほうが料金が安くなる点を改善するということです。

方針としては、2016年度からは、発着地が同一なら、経路が違っても料金を同一に設定し、以降、2020年度をめどに、郊外を通るルートのほうを安くする方向で、高速料金を見直していくということだそうです。

渋滞緩和のためでしょうが、みんなが、安い料金の郊外ルートを選んだら・・・って思ってしまいました。

■ETCの普及を促進し、ETC義務化に向けて検討

国交省では、高速道路の利用をより効率よくするために「高速道路交通システム」を普及・活用するそうです。それには「ETC」の普及が欠かせないとして、「ETCの義務化」を検討するのだとか。

現金払いに対応するには、人件費などのコストがかかるので、その費用を抑えようというものですね。でも、義務化って、ETCを搭載するには、ユーザー負担になるのでしょうね・・・。

■ETCの情報や料金制度を使って通行量を管理

「通行量を管理」ってザックリ書いていますが、ETC搭載車と情報をやり取りできるようにして、事故や渋滞などの情報をドライバーに送って迂回を促したり、渋滞が起きやすい場所や時間などの情報を料金制度に反映させるようにすることだそうです。

ETCとの通信は料金所以外にも、道路沿いに増設して行く必要があるのでしょうから、その設備投資の費用の捻出はどこからするのって思ってしまいました。
それと、料金制度に反映させるタイミングというか、料金制度は一定期間で再度見直しとかあるのでしょうか。

■ビッグデータを活用。渋滞の解消を図る。

うーん、これもどうやって具現化していくのか見えないですね。「ビッグデータを活用」は分かります。でも、そのデータを使って、どうやって渋滞の解消を図っていくのでしょうか?

おそらく、先ほどの「ETCの情報や料金制度を使って通行量を管理」と関連付けて具体策を検討していくのでしょうね。

 

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東京オリンピックや、高齢化社会の見通し、若者の自動車離れなどなどが積み重なっての見直しだと思います。

また、高速道路の料金を建設費の返済に充て、返済が終わったら高速料金を無料にする「償還主義」の見直しや、国道などでの一般道でも、道路の老朽化につながりやすい大型車から料金を徴収するとか、難しい課題があるそうです。

クルマを利用するユーザーさんにとって、今後どういった影響が出てくるのかシッカリと見守っていきたいと思います。